火薬類のお話
04/19(Fri) 15:14|よもやま話comment(0)trackback(0)edit
アメリカではボストンでの爆破事件、そしてテキサス州での肥料工場での爆発火災と連日大きなニュースが
流れています。
「爆発」と言うと我々火薬類を取り扱う者としては他人事とは思えず、改めてその怖さを思い知ると同時に
「安全」について再認識する時でもあります。
特に肥料工場の爆発はすごい衝撃波で、衝撃波というとあの「ロシア巨大隕石」を思い出します。
あれは宇宙規模の現象で、別格ですがあれだけの広範囲に衝撃波をもたらしほとんどがその影響で被害が
でました。
肥料工場での爆発がまるで爆破したかのような状態になったので疑問が。
この工場には原料のアンモニアがあったとか、硝酸があったとか言われています。
ほおー化学反応による爆発か・・・と。
それが爆薬並のすさまじい力を生み出し、おそらく「爆ごう」という衝撃波を伴う現象を起こしたのかな?
「爆ごう」とは爆発物中を超音波で反応が伝わる現象で、その先端に衝撃波を形成する・・・と一般化火薬学の
テキストには書いてあります。音速を超えるということです。
更に爆薬の場合、その伝ぱ速度は(爆速)は毎秒2000m~8000mにも達し、大きな破壊力を発揮する、とあります。
この肥料工場にはアンモニアが25tもあった? とか硝酸系物質があったとかで、あれだけの破壊力は
想像できないですね。さすがアメリカと言いましょうか、どデカいです。
もし、硝酸アンモニウムが存在すればその特性は
1.自らも爆発的になり分解する性質がある。
2.爆発した際には全部がガスとなるので威力を強める
とあります。なるほど、だからあんな大きな被害がでたわけだ。(あくまでも私の推測)

我々の身近にも硝酸系物質を含んだ火薬類はたくさんあります。
例えばダイナマイト、硝安爆薬他、黒色・無煙火薬などがあります。
猟銃の弾に使われる無煙火薬はそのひとつです。「えーっ」と家に実包を保管している人は怖いと思うかも
しれませんが、実際、1発に入っている火薬量は少ないですし、もし、火災が起こったとしても
先ほどの爆ごうは起こりません。
私どもの店舗で扱う品も同様で、火薬店と言うと「爆発する」と短絡的に考える人もいるようですが
爆ごうはしません。それに耐火性の堅固な保管庫に収納していますし、そもそも爆発するようならば
街中に店舗は構えられませんから。
要はね、おもちゃ屋さんやホームセンターで花火を売っているでしょ?
パッと見て「怖い」って逃げます?
向こうは保管庫に入れずに手に取れる状態にあるわけですから。これも我々の扱う物と同じ火工品です。
引火性はガソリンの方が高いでしょうし、ガソリンスタンドが街角にあるように火薬店も特異では
ないと思います。

アメリカの肥料工場は犠牲者数の把握もできない状況ですが、当然、日本国内でこのような事故はあってはならず
過去には花火工場や火薬工場などの爆発事故はありました。もちろん、発火する原因は除いてはいるのですが、静電気とか色々原因はあのでしょうね。
しかし、事故が起きても工場に働いている人は被害に遭う事はあっても近隣に死傷者がでないよう一定基準で
保安距離が設定されています。鉄道・病院・学校とか決められた物を4種類に分類しそれぞれの距離を算出します。
よって、万一、工場が爆発してもなるべく人的被害がでないようになっています。
ただ、黒色火薬は衝撃や静電気に過敏なため、この火薬を単なる粉とあなどってはいけません。
以前、東京都内で家が丸ごと燃えたという事故がありまして、その家は映画など撮影用のモデルガンで
ピストルなどの発砲シーンの演出を手掛ける仕事をしていたらしく、原因はどうも火薬の調合中、取扱いを誤ったようです。これはおっかない。
黒色だったかは確認していませんが、火工製品とはちがい火薬そのものは危険ですので、十分取扱いには
注意して頂きたいと思います。特に市販の花火を子供がおもしろがってほぐしたりしないようにお願いします。

宇治金時、高校物理の成績は悲惨でした。しかし、「火薬類取扱保安責任者」の資格を取るために物理・化学関連知識は避けては通れず、1回では合格できませんでしたが、ズルをせず資格を取りました。
甲種・乙種の2種がありまして、甲種・乙種は貯蔵庫の規模により配置する種類が異なります。
私どものように産業用火薬類を扱い、かつ取扱量が多い所は甲種となります。
甲種は計算式もあるので難しいです。(理系の人ならいいけど)
それと私が受験した時は4つの文章から正しいもの2つの組み合わせを選べとなると答えは6つから選ぶという
形式。
これって宅建より難しいじゃん。それに最近は猟銃等所持講習会での試験でも時々このタイプが出るらしい。
私、正解できるかしら?
乙種から甲種への変更は受験し直しとなるので、初めから甲種を取るのが望ましいでしょう。
火薬類を扱う仕事は他に自衛隊や土木建設会社など。トンネル工事で爆薬を使用する場合も同じ
資格が必要です。その他発破技士という爆破のための資格もあるようです。
興味のある方は関連サイトをご覧ください。

ダイナマイトノーベル。ノーベル賞を昨年、日本人研究者が受賞したことで国内が喜びに沸きました。
ノーベル賞はダイナマイトの開発などで得た彼の遺産から設立され、世界で最も権威のある賞と
なりました。彼はダイナマイトという産業に貢献する製品を作りましたが、反面、戦争などの兵器として
利用されたことに心を痛めたとも言われています。
ボストンマラソンの惨劇をノーベルはあの代から悲しんでいることと思います。

現代における文明の利器はほとんどがこのダイナマイトと同じく元々は人間の暮らしを豊にするために
作られたのに時には人間を不幸にすることも。
車は便利だけれども交通事故で人が亡くなったり、パソコンも便利で生活に欠かせなくなったけれど
ハッカーによる犯罪は止められない。ナイフもしかり。
ボストンではその後、マサチューセッツ工科大学内で射殺事件も起こり、アメリカという国は・・・
とため息が出ます。
全ては物ではなく使用する人間次第いうことで、我々の猟銃もまさに同様と思います。

DSC04580.jpg
路上に掲げられている店の看板です。「火薬」の文字を入れると文字が小さくなるので
省略しています。もちろん、銃は作り物でこの看板を設置してからずーっと吊り下げられていて
かなりくたびれているかと。南方向から来られたお客様への目印です。
歩いている人はこの位置に目が行かないみたいで、ご存知でないかたもありますし、時々、向かい側から
写真を撮っている人もいます。通りがかり目に止まった方はどうぞ自由に写真を撮って下さい。
色褪せて汚れていますけれども・・・。






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