近江商人
02/13(Sat) 21:25|よもやま話comment(0)trackback(0)edit
京都は1月末から順次、銃砲検査が始まっています。そして、この時期は弾や銃の廃棄が増えます。許可を取得するには時間がかかるのに返納はわずか数分であっけなく済みます。
やめる人もいる中、50年近く鉄砲遊びをしている常連さんに今さらながら「銃を持ったきっかけは?」と尋ねてみました。「あー、きっかけはね、祇園にキタ、ドリップコーヒー言うのがあってな、そこのマスターがね、何とか言う俳優によう似てて、芸妓はんや撮影所の連中がよう来てたんや。そこに○○さんがしょっちゅう来てはって、“鉄砲やらへんか”て誘われて、東山銃砲店に連れて行ってもうたんが初めやねん」 東山銃砲店ですか・・・宇治金時は名前だけ知っています。四条大宮近くにあったそうです。この銃砲店に出入りしていたという現役シューター・ハンターは人間国宝ものです。そしてその常連さんはこう続けます。「鉄砲屋さんはよう儲けてはるし、みんな角地に店があるって言うてたんや」 ハハハッ、なるほどそうですか。お話にあるコーヒーショップのように常連さんが集うお店が昔はそこかしこにあり、そこから人脈が広がっていったのだと思います。意外な所であの人とこの人とは顔見知りとか。今はそういう所が少なくなり、異業種交流や人脈作りをする目的で、様々な団体に所属するのが当たり前になってきて、4代目も商工会議所を始め、お誘いを受けることもありますが、先代自身がそういう所には所属せず、主人が店をしっかり守るという主義を受け継いでおり、どちらかと言うと銃砲店は“銃”という特殊な物を通じて常連さんの集う所ですので、ある種“魔界”のようであり(銃を共通項に様々な人が交流しているので)よく言えば“桃源”という感じで、私たちはそこそこ居心地の良い、ゆるくてユニークな世界だと思っています。撃つ鉄砲・口鉄砲・水鉄砲と三拍子揃った強者もいて、誰の事かな? 長年、射撃や狩猟を続けられる理由は「大好きだから」 それのみです。私たちの仕事は微力ながらそのサポートをさせてもらっているだけです。仕事を離れれば4代目はジムとプールで健康づくり、宇治金時は副業を通じて“人づくりのお手伝い”をしております。私自身は大勢で群れることが好きではなく、エンドレスな女子トークなる物は苦手です。

ネットショッピングでは北海道から沖縄までご利用頂きましてありがとうございます。私自身もそうですが、商品を購入するショップはどんなお店なのかな? (店舗のない所もありますが)、と思う事もあり、小林銃砲店はこんな店です・・・と、ブログを通じてちょこっと知ってもらえればと思います。

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ご友人二人が同時に許可がおり、店長は模擬弾で装填手順を説明中、4代目はスラッグ弾を使う時はこのチョークを、と、チョークの説明中。お二人は猟友会の先輩達と共に大物猟をされるので、3インチマグナム装弾をお使いになります。

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これはPERAZZI MX8用旧型ガンケースで、未使用品です。ケース内張り・スポンジが傷んでいるので、ドロップアウト商品でした。ところが、以前ネットショッピングでお買い物をして下さったお客様がPerazziのガンケースを探しているのだが・・・とのメールを受け、ご紹介した所、価格が合えば購入したい、とおっしゃり、大至急、お直しに出しました。職人さんいわく“ケース自体は丈夫なのだが、イタリアのスポンジが悪く、日本のスポンジの方がしっかりしている”とのことで、イタリア製ガンケースはスポンジが傷み易く、布生地が破れていなければ再生可能です。ネットショップには掲載していない品も多く、このように掘り出し物もありますので、気になる商品がありましたら、気軽にお尋ねください。

前回のバルセロナオリンピックの写真がどうも足りない気がしたので、もう一度、アルバムをゴソゴソ引っ張り出すと・・・ありました。ミニアルバム5冊にあと、こんな写真が。
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これこれ。銃をかかげた写真が一番です。MIROKU 5000T WATANABE スペシャルと言おうかカスタムと言おうか。おそらく自身が撃ちやすいよう、ミロク製作所で銃のアジャストメントを行っていたと思います。

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シューターにとってはやはりフォームが気になるでしょう。フォームは選手それぞれで、これという撃ち方はないのですが、左脚に重心がかかっているように見えますね。

本題でしたね。滋賀県は京都のお隣りで、滋賀県と言えば琵琶湖、近江牛、たねやにクラブハリエ。日本海に海水浴へ行くよりも近い琵琶湖で泳いだり、琵琶湖の水が京都の飲料水になり、京都とは親戚のような関係。関東の人に滋賀県はどこ? と尋ねると「新幹線に乗っていると雪が多くて徐行する所」と言います。それは関ヶ原、岐阜県。地味なので滋賀県を近江県にしようか、などの話を聞きます。ところがですね、去年、ある記事に目が留まり、1位東京都・2位滋賀県・3位神奈川県と、あるランキングに突如、滋賀県が登場しました。何だと思いますか? 滋賀県の人はご存知でしょうが。スマホ世帯保有率(普及率)です。これ以外にも光回線普及率、家電所有数、一人当たりの県民所得などのランキングでは上位にあり、県民の元気度はなかなかのものです。滋賀県は琵琶湖で東西が分断されているように見えますが、大津市からJR東海道線に乗れば京都駅まで10分、大阪駅まで40分と暮らす町として若い世帯が増えてきたのが理由のひとつです。そして、農業だけでなく、多くの大手メーカーの工場が雇用を生み、滋賀県は自然環境にも恵まれ住み良い所として支持されています。
また、滋賀県は江州とも言われ、年配の人は「近江商人」という言葉を知っています。「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしの精神は利益優先ではなく、我がことのみと思わず、私利を貪ることなかれ・・・という意味で、薄利多売の商売十訓の中には“紙一枚でも景品はお客を喜ばせる。つけてあげるもののない時は笑顔を景品にせよ” “商売に好況・不況はない。いずれにしてももうけねばならぬ” 等、現在にも通ずるものがあります。ただ、近江商人が通った後はペンペン草も生えぬ、と言われるほど、商いの手法は徹底していて、近江泥棒はがめつい・伊勢乞食はお金に細かいと、妬みからそう言われることもありましたが、合理化をはかった商人をルーツに持つ企業が結構多く、伊勢商人の三重県発祥の企業と言えば“越後屋”三井家、松坂屋、イオン、伊藤ハムなどで、近江商人は更に数が増え、伊藤忠商事、丸紅、双日、ヤンマー、日本生命、ワコール、高島屋、日本旅行など他にもたくさんあり、誰もが知る企業ばかりです。特に堤家が創業者の西武鉄道は滋賀県内にプリンスホテルや瀬田ゴルフコースなどを造りました。製造よりも物を仕入れて売りに行き、行った先でまた、物を仕入れて持ち帰り売るというスタイルが商社のビジネススタイルに似ているようにも思いますし、商人達の働きがなければ、ここまでしっかりした企業が生まれなかったかもしれませんね。企業だけでなく滋賀県出身有名人も多いです。“京都!!”って京都人はふんぞり返っていますけれども、私は堅実な滋賀県人と思いますし、一目、いや二目くらい置きたいですね。あくまでも宇治金時の私見ですので、この他に興味深いお話がありましたら教えて下さい。

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皆さんがよく知る比叡山です。京都側は昔、人工スキー場やお化け屋敷がありましたが、比叡山の表側は滋賀県、世界文化遺産の比叡山延暦寺。最澄が開いた天台宗のお寺で、過去の歴史では焼き討ちがあったりもしましたが、法然・親鸞・栄西・道元・日蓮など、日本仏教の開祖がここで修業をしていたという、仏教の源流のような存在であった事を知りました。

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これは去年6月に千本通を通った集団。ほら貝の音を聞き、外へ出ると既に遅し。これは比叡山延暦寺の修業、阿闍梨さんの一行です。「阿闍梨」と言うと、あの有名なお菓子を連想するのですが、もちろん、関わりはあるものの、こちらはお坊さんです。1100年の歴史がある千日回峰行と言う、7年間で1000日かけて地球一周分を祈り歩く修業で、比叡山中を祈り、歩きを何百日(最低でも1日30km)、9日間、御堂にこもり断食断水、不眠不臥でお経を上げ続けたり、比叡山中から京都市内を廻る(1日84km)ことを繰り返し、まさに“生き仏”と言われる阿闍梨さん。阿闍梨さんにはこのように多くの信者さんが一緒に歩き、その速度の速い事。以前、知り合いが“夜中1時頃に銃砲店の前を通っている”と言ってたように、昼夜問わず、歩き続けます。この阿闍梨さんは来年がその7年目の満行にあたり、京都大廻りを経て御所へ参内し、大阿闍梨となります。阿闍梨さんは真夜中、比叡山中腹から御所をのぞみ“国家安泰”の祈りを捧げ、京都市内の真夜中の夜景は輝く砂浜のごとく神秘的に見えます。我々が眠っている間にも手を合わせている人がいることに心がじんわり・・・ジュピターという曲が私の耳に流れてきます。
この話を常連さんにすると“延暦寺は滋賀県にあるのに滋賀県内を阿闍梨さんは歩かへんやろ。京都を歩くやろ” そう言えばそうですよね。京都側にお寺があると御所を見下ろす事になるから不敬になる気もするし。京都には墓石屋さんの「墓のない人生は儚い人生」とか、仏具屋さんのおかっぱ頭の女の子のが数珠を手に“朝に礼拝 夕べに感謝”なんて言うCMもあり、仏教は身近に感じますが、華美がなく、修業の厳しさや真摯に仏様に向き合う延暦寺は正統派だと思います。

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滋賀県のお客様も多く、一言で言うなら“おおらか”な県民気質。漁師兼猟師のお客様の品は「ごり」「いさざ」「小鮎」「イノシシチャーシュー」といずれもこっくりしたお味でいつも美味しくよばれています。琵琶湖は淡水魚の宝庫。旬の川や湖の恵みを頂けるのも滋賀県のお陰です。
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